あおぞら
21
どうして思ったんだろう。
それが、永遠だと。
城の厨房は、流石に立派なつくりだった。中央に大きなテーブルが、そして壁に沿って釜やストーブが据え付けられている。
黒光りしているストーブには火が入り、そばにはフライパンとフライ返しが既に準備してある。大きなテーブルの上には、色違いの小花が散った平皿と大きめのボゥルに泡立て器、そして卵にミルクにバター、塩や香辛料などが並べられてファラとニナを待っていた。
「材料に不足はございませんか?」
女官が尋ねてくるのに、ファラはいいえと首を振った。ニナもありませんと答えている。
「では、どうぞおはじめ下さいませ。制限時間は半刻です」
重々しく女官が告げる。ファラは卵を手に取った。
変わって行くものと、変わらないもの。
どうして、リッドは変わらないと、リッドはずっとそばにいるのだと、そう信じていたのだろう。
むっつりと眉間に皺を寄せて、リッドは昨夜と同じ食堂の長机に肘をついていた。
リッドの右手に腰掛けたチャットは、時折彼の様子を窺っては目を逸らしている。声をかけるのもはばかられる、ぴりぴりした空気をまき散らしている自覚はあるが、おさめようとは思えなかった。
不機嫌にもなるだろ、とリッドは一人胸の内でごちる。
結局、あれからファラにもニナにも会えずじまいなのだ。理由を問い正すことも出来ずに、無理矢理この食堂に引っ張ってこられてしまった。
「ご機嫌はすぐれないようですわね?」
戸口から滑り込んできた衣擦れの音に、リッドは慌てて背筋を伸ばした。昨日と同じ席に腰掛け、アレンデは微笑む。
「この試合を請け負ったものとして、同席させていただきますわね」
そうだった、この人がいた。リッドは思わず身を乗り出した。
「なんでこんなことになったんだ!」
リッドの問いは殆ど悲鳴だった。アレンデがきょとんと首を傾げる。
「何故、と申されましても……ご存じありませんの?」
「なんの説明もなく、ファラとニナがオムレツで勝負するから審判しろって言われただけでわかるか? フツー」
吐き捨てるようなリッドの答えに、しばらく目をぱちぱちさせていたアレンデが、心底困り切ったような表情でチャットに視線を転じた。
「……どうなっていますの?」
「ボクに訊かれましても……。ファラさんからは、喧嘩しちゃって、オムレツ勝負でリッドさんが選ぶとしか」
お手上げとチャットが肩をすくめてみせるのに、アレンデはやはり困惑顔で軽く握った拳を口元に当て、もう一度リッドに目をやった。
「いえ、そうではなくて。どうして、そんなことになっているんですの?」
「訊いてんのはオレだ!」
がたんとリッドが椅子を蹴立てて立ち上がったとき、扉がノックされた。アレンデが瞬時に表情を切り替えてお入りなさいと声をかける。
「失礼いたします」
断りの言葉の後、女官が2名、めいめい皿を抱えて入ってきた。その後ろに、別の女官に伴われてファラとニナも続く。
顔を上げているニナの隣で、ファラは俯いていた。睫毛を伏せたまま、リッドたちの方を見ようともしない。
ファラの様子に眉をひそめながらも、リッドはとりあえず椅子に座り直した。
「こちらにございます」
女官が覆いを取り去った二つの皿の上には、半円形をした二つのオムレツ。しかし、漂ってくる匂いに焦げた苦みがあるのをチャットもリッドもかぎ分けた。
チャットは、ファラの料理の腕前を知っている。そんな初歩的な失敗などするわけがないと、確信にも似た思いでリッドに目をやった。
何故こんな事になったのかは知らないが、要はリッドがファラのオムレツを選べば丸く収まると、チャットは思っていた。これなら答は簡単だ。焦げていない方を選べばいい。
「どうぞ」
グラスに水が注がれ、リッドの前に二つの皿が並べられた。
リッドは難しい顔のまま、もう一度ファラの方に目を向ける。気配を察してか、ファラはますます頑なに俯いた。
諦めて、リッドはフォークを取った。向かって左の方にあるオムレツを一口食べて水を飲む。続いて、右の方にフォークを刺すと、その切り口の下の方はやはり焦げて黒くなっていた。
そこは避けて、リッドはオムレツを口に運ぶ。アレンデもチャットも、女官たちも息を呑んでリッドがフォークを置くのを見守っていた。
溜め息をついて、リッドがフォークを置いて椅子の背に体重を預ける。それを見届けた、昨夜リッドに勝負を告げに来た女官が厳かに宣告した。
「ご判定を」
瞬間、扉の傍で控えていた女官たちの間で、小さな叫びが上がった。唐突に起こった騒ぎに、リッドに注目していた全ての視線がそちらに泳ぐ。
「ファラさん!」
一心にリッドの答えを待っていたニナが、廊下へ走り出してしまったファラを追って足を踏み出しかけたとき、リッドは立ち上がった。
「こっち」
あまりにもシンプルな答えが食堂に響く。はっと振り返るニナを含む、一同の視線がリッドの指先に集中した。
22
「――リッドさん!?」
チャットの声は、ほとんど詰問の調子だった。どうしてよりにもよってそっちだと、その細い肩を怒らせて椅子を蹴立てる。
「こっち」
念を押すようにもう一度、リッドは右の方の、焦げているオムレツを指さした。そのまま早足に食堂を横切る。
「待って下さい!」
呆然としていたニナが、リッドが脇をすり抜けようとしたときに我に返ってその腕を掴んでひきとめた。
「どうして――どうして、そっちなんですか? そっちは焦げて……」
「ファラが作ったから」
引き留められたその手を、そっと外しながらリッドは答える。ニナは目を見張った。
「ファラが、オレに作ったもんだから」
繰り返して、リッドは身を翻した。後に残された人たちは、皆呆然とその姿の消えた入り口を見ていたが、チャットはまだ使われていないフォークを取り上げた。リッドが食べたのと反対側の焦げたオムレツを、一口食べてみる。
焦げている。そのせいで、固くなってしまっている他は、普通のオムレツだ。
試しに、もう一つのオムレツも食べてみた。中は見事な半熟状態になっている。味はチャットにはとっても薄味だが、まずくはない。
そして、ふと首を傾げる。
ファラが作るオムレツは、半熟だったか?
「ファラさんは、お料理が得意だと、チャットさんから伺っていたんですけれど……そうですよね?」
アレンデも、二つを食べ比べて首を傾げている。
「確かに――焦げている方が、ファラ様のお作りになったものでございます」
脇に控えていた女官が口を添えた。
「確かですのね?」
「――半熟じゃ、ない」
チャットの呟きに、アレンデは頷く女官から視線を移した。
「半熟じゃない……リッドさんは、固めが好きだからって、だからボクたちの分も全部固めに作ってて、それでメルディさんが呆れて笑ってて……」
チャットの目に映っているのはテーブルクロスではなく、思い出の中の情景だった。
インフェリアにセイファートの試練を受けに来て、初めて本格インフェリア流の料理をファラが作ってくれたときのことだ。固いと注文を付けたメルディに、ファラは笑った。笑って、ごっめーん、リッドが固めが好きでいっつもそう作ってたからつい、と、頭をかいてみせた。
アレンデが、呆れたような安心したような、いろんなものをないまぜにした溜め息をついて椅子の背にもたれかかった。
「それで、リッドさんにはわかったのですね……それにしても」
アレンデはそこで言葉を切った。ニナの前で言うわけにはいかない。
ふとチャットと目があった。思っていることは同じであろう、チャットもまた苦笑しながら頷いた。
それにしても。最初からファラさんを選ぶなら選ぶと言ってくれたら、こんな騒ぎにしなくてもいいのに。
「ファラ!」
さんざんあちこち探した末、城の裏手にある庭の、大きな木の陰で揺れるオレンジ色にリッドは声をあげた。
びくりと体を震わせたファラがこちらを振り返る。頬に光る物があった。
「こないで!」
ファラが叫ぶ。リッドが足を止めたのを確認すると、くるりと背を向けた。また逃げるかと思ったが、ファラはただ振り向いてごそごそと何かしていた。涙を拭っているのだろう。
リッドはつま先からこみあげてきた大きな溜め息を、胸が空っぽになるまで吐き出した。
「……なんで、逃げ出したりしたんだよ」
ファラの答えはない。構わずに、リッドは続けた。
「焦がしたからって、何も逃げなくてもいいだろうが」
振り向くファラの瞳が赤い。
一歩踏み出すと、ファラは少し後退ろうとする。が、ぎゅっと手のひらを握りしめてその場にとどまった。
「だって……焦げちゃったもん、うまくできなかった……怖くて」
もう一歩。
ゆっくり足を進めるのにしたがって、ファラは次第に俯いていく。
「これで、リッドがいなくなっちゃったらどうしようと思って、でも……」
あと一歩。これで、腕を伸ばせばファラに触れられる位置。
そこまで来て、リッドは口を開いた。
「……ふぁあ」
小さい頃、舌の回らなかったファラが、彼女自身を指して呼んでいた呼び名。ちゃんと言えるようになってからは、混乱したり、泣いていたりするファラをなだめるために、リッドだけが使っていた呼び名。
懐かしい呼び方に思わず顔を上げたファラに、リッドは笑いかけた。
「言ってみな。何でもきくから。お前の言いたいこと、全部言っちまいな」
しばらく、大きな榛の瞳が呆然とリッドを見上げていた。
「……傍にいたいの」
やがて、絞り出すように、ファラは言葉を紡いだ。
「うん」
「リッドの傍がいいの、リッドじゃないとダメなの、今だって傍にいるからそれでいいと思ってた、このままでいいと思ってた! でも今じゃダメだって、幼なじみじゃダメだって」
「……ああ」
その思いには覚えがある。幼なじみで駄目なら、このまま変わるしかないのかと思っていた。ファラが幼なじみにこだわるなら、変わっていくのに任せるしかないかと、覚悟した。
「わからないの、アレンデ姫は、それはわたしがリッドを愛してるんだって言う、でも――そんなのわかんない、リッドはいつでもわたしの一番近くにいて、笑うときも泣くときもそこにいて、それが当たり前で壊したくなんかない」
「そうだな」
堰を切ったようにまくしたてるファラの瞳が、見上げてくる表情が、必死に訴えかけてくる。
「誰かのものになったりしないで、どこにもいかないで……リッドが行くなら、わたしはどこだって一緒に行くから、だから……」
リッドはファラに手を伸ばした。思わず体を強張らせるファラの頭をくしゃりとかき回し、ファラに笑ってみせる。
「十年ぶりに聞いた。ファラのわがまま」
わがまま。それは、あの時から、ファラにとって一番やってはいけないことで。
だから、ファラはわがままを言わなくなった。自分のためのわがままを、一切口にしなくなった。
歯痒かった。何をしてやればいいのか判らなかった。見守ることしかできなかった。
子どもだった。
でも、今なら、少しわかる。
どうすれば、望む未来を引き寄せられるか。
「……わがまま、だよね、やっぱり……だめだよね」
ファラが、消えそうな声で呟く。リッドは破顔して、ファラの頭に置いたままの手をちょっと動かして、頬に添えると強引に上を向かせた。
「何言ってんだよ。俺は昔から、お前のわがままには逆らえないように出来てんだよ」
正面から榛の瞳をのぞき込んで茶化すように告げたが、彼女の表情は晴れない。小さく首を振って、うつむいてしまう。
しょうがねえなぁ、と、リッドは小さく息を吐いた。
「だったら、ファラが俺のわがままをきいてくれよ。それでチャラ」
ファラの、また少し泣きそうに歪んでいた顔が疑問に変わる。
「どんな?」
首を傾げる少女に、リッドは苦笑して左の肩だけを器用にすくめてみせた。
「今からちょっとオレの自由にさせろ。イヤなら言え。やめるから」
「……自由? ……って」
不思議そうな表情のまま、オウム返しに呟くファラの背中に両腕を回して、その輪の中にファラを閉じこめると、リッドは力任せにその輪の中の体を引き寄せた。
よっかかったことはある。力が抜けて、ファラに向かって倒れ込んだこともあったし、かばうために引き寄せたこともある。けれど、思い返してみればこの数年、ファラを抱きしめたことなどなかった。
幼い頃、無邪気に飛び込んでくるファラを抱き留めた頃と変わらず、ファラの体は温かかった。
「――リ、リッド? ねえ、ちょっ……」
狼狽したように、腕の中でファラが身じろぐ。それには構わずに、リッドは腕にもう一度力を込めた。
「わかってるか? オレは男だぞ」
ファラの動きがぴたりと止まる。深い森の色をした髪を一房指にからめて、リッドはそれをほどいた。
「幼なじみじゃない。ただのオレのそばにいたいって、それでも言えるか?」
言ってから、そっとファラの体に回した腕を外す。半歩ほど下がって距離を取ると、大きな瞳を丸くしているファラの顔を覗き込んだ。
「言えるなら、来いよ」
瞬きを三度する間、ファラはリッドを見上げていたが、やがて強張っていたその表情をほころばせた。
半歩だけ、足を踏み出す。そして、リッドに腕を伸ばす。
リッドは伸ばされた腕を捕まえて引き寄せると、もう一度ファラを腕の中に収めた。
「――なぁんだ」
リッドの肩の辺りに額を埋めて、ファラが呟いた。
「簡単なのに……なんで怖かったのかな、わたし」
リッドは苦笑した。それは彼も同じことだった。
ぎこちなく、そっとファラの額に唇を触れさせて離す。腕の中の小さな体から響いてくる鼓動が早くなったけれども、ファラはリッドの背中に回した腕の力を緩めようとはしなかった。
もう迷わない。
もう離さない。
幼なじみだからじゃない。欲しかったのは、失うわけにいかなかったのは、このぬくもりだから。
遠い昔から繰り返してきたこと。
ずっと前から、抱いていた想いを抱き続けること。
いつか、形は失っても。
それは永遠に限りなく近いものになるのだろう。
きっと。
23
「まったくもう、世話のかかる人たちですね!」
憤懣やるかたないと言った表情で、チャットが腰に手を当ててぷんぷん怒っている。
「最初から! 素直に! ちゃんと意志の疎通を図っていれば、こんな騒ぎにまでならなくてもすんだんですよ、わかってますか?」
リッドとファラは、改造途中のバンエルティア号の展望室の床に座らせられて、先程から船長のお小言を頂戴している。
「アレンデ姫まで巻き込んで、本当にもう! その騒ぎの結末が、単に元のさやに収まったって、それだけの報告で納得できるはずがないでしょう!」
結局そこか、と、リッドとファラは同時に溜め息をついた。
「だーかーら。何度同じことを言わせるんだよ? まあこっちに戻ってきて、いろいろあって、なんか気まずくなってたんだって。それが解消できたって、それだけの話」
「そうそう。もう変に気まずいことはしないで、元のままで居ようって、それだけなんだってば、チャット」
じと、と、チャットが言い訳する二人を順に見渡して、それから大きな溜め息をつくとやおら二人に背を向けてその場にしゃがみこんだ。
「いいもんいいもん。どうせボクは船長として頼りないですよ。乗組員の関係悪化の修復に何の助けもしてあげられない役立たずですよ」
「そ、そーんなことないよ、チャット!」
「そうだよ、何言ってんだよ、立派なキャプテンじゃないか」
何やら床を人差し指でぐりぐりしだしたチャットに、慌ててリッドとファラは宥めにかかった。
一瞬だけ、視線を交わして頷き合う。
……本当のところなんて言えるか。
……言ったら最後だよね……。
「まあ、お二方が以前の通り仲良くして下さるなら、わたくし願ってもおりませんことですわ」
これから出発する旨の報告をしに来たのだが、やはり玉座には座ろうとせずに、その傍らに立ってアレンデは微笑んでいる。
しかし、その微笑みが、何故だか非常に怖い物に見えるのは気のせいなのだろうか。
「この城にいらした時のお二人と来たら、一体どうしたのかしらと思うくらい、気まずげな雰囲気をたたえてらっしゃいましたから、わたくし心配で心配で。何か出来ればとあんな試合もどきまで提案させていただきましたけど、余計なお節介でしたかしら?」
「いいえそんな! お心遣い、本当にありがとうございます」
「心配かけてすみませんでした」
一応家臣団の居並ぶ中の謁見だ、リッドも幾分丁寧な口調で神妙に頭を下げた。
それでもアレンデは納得していない様子で、笑顔のまま爆弾を投下した。
「それで? わたくしは、お二方の結婚式には呼んでいただけるのかしら?」
「そ、そんな! 結婚だなんて、そんなまさか!!」
ファラがてきめんうろたえて、真っ向から激しく否定するのを横で聞きながら、リッドは多少複雑な表情でがくりと頭を垂れた。
ファラに、どれくらい正確にあの時伝えられることが出来たのか、いまさらながらに不安に思ったのである。
「……悪かったな」
天文台に行くというニナに、リッドはそれだけ言った。
あの局面、ファラかニナかどちらかを選べという時になって、リッドは遅まきながら初めて気付いたのだった。
ニナがリッドに寄せている好意の種類がどんなものであるか。
「いいえ」
ニナは首を振った。その表情は、まだ少し複雑ながらも、影はない。
「エターニアを救った勇者にフラれたんだって、ミンツに戻ったら友達に自慢しますわ」
「――自慢?」
「だって」
首を傾げるリッドに、ニナは胸に手を当てて微笑んだ。
「知り合って、好きにならなければ、フラれることもないでしょう?」
ニナの背中が城の門の外に出ようとしたとき、ファラがリッドの横にやってきた。
「――盗み聞きは趣味が悪いぞ」
「聞こえなかったもん。ただ、今行くのはまずいかなと思って、待ってただけ」
門を出る前、衛兵のチェックを受けたニナがこちらに向き直る。ファラに向かってぺこりと頭を下げて手を振ってくるのに、ファラは大きく笑って手を振り返した。
見えなくなるまで手を振って、そして重くなったその腕をそっとおろす。
と、その手を取られてファラは傍らのリッドを見上げた。あさっての方を見ていたリッドが、まるで今握った手は関係ないかのように素っ気なく口を開く。
「さ、行くか。ミンツに」
「うん! その次は、セレスティアだね」
ちょっとごつごつしているけれど、大きな、あたたかい手。ぎゅっとその手を握り返して、ファラも笑って頷いた。
まだ、真上まで登りきっていないおひさまが、青い空に燦々と輝いている。風もほどよく、絶好の船旅日和だ。
水平線の向こうへ。あのあおぞらのむこうへ。
ファラは、大きく息を吸い込んで、空いている方の手を天に突き出して元気良く叫んだ。
「よぉし、イケるイケる!」
「張り切りすぎてこけるなよ」
「大丈夫ですよーだ」
この手があるなら、たとえ転んでも、立ち止まっても、大丈夫。
いーだをしてみせるファラに、リッドは苦笑気味に肩をすくめた。
まだお話は終わらない。
それは、永遠の物語。
広がるあおぞらの下、紡ぎだされる物語。
―了―