ことのはをきみへ

ZTP,小説ニクジュディ

●私の素敵な未来の相棒へ

 おめでとうニック、オール満点なんて凄いわ! 私はケアレスミスに悩まされていたけど、あなたってばちゃっかり一番重要な証拠品を携えて暴走列車から飛び降りるような賢いキツネだものね!
 あなたが前向きな気持ちで取り組んでいることが嬉しいし、誇りに思うわ、未来の相棒。お友達も良い方達ね! 揃って卒業式を迎えられることを祈ってるわ。身体を壊してしまって去って行く同期を見送るのは辛かったもの。

 あなたは本当に、どうしてそうもお見通しなのかしら。私が単純なの? 否定しきれないところが辛いわね。
 ええ、分かっているの。そんな発想に至ること自体が、私自身にも偏見の価値観があるってことの証明に他ならないわ。前にあなたを傷つけたものよ。出来れば消しゴムでこすって丸めて焼き捨てて、灰をコンクリで固めて塀にでもしてしまいたいわ。そんな私に、あなたを不当に貶めようとした彼らに憤る資格なんて、本当はないのかもしれない。
 でも許してちょうだいニック、私はすっごく腹が立ってるのよ!
 今の私はその思い込みが間違ってるって知っていて、あなたというキツネがどんなに賢く、注意深く、そして努力しているかを知っているから、余計にね! よく知りもしないで勝手なことを! 私がその場にいたなら、手と足と口のどれが先に出るかちょっと判断しかねるわ。
 ねえニック、知るって、気づくって、素敵な事ね。気づかせてくれる誰かが居てくれるって、もっと素敵ね。つまりあなたはとっても素敵ってことよ、ニック・ワイルド。
 手紙って良いわね、あなたに遮られずに伝えられるんだもの。

 あなたの手紙と同時に実家から仕送りが届いたの。ブルーベリーのジャムが入っていたから、あなたにお祝いがてらおすそ分けで送るわ。ちょっと肌寒かったり疲れてる時なんかは、紅茶にたっぷり入れて溶かして飲むと良いわよ、おすすめ。体があったまってよく眠れるわ。
 あと残り三カ月ね! ゴールは間近よ、ニック。どうかくれぐれも、体にだけは気をつけてね。油断大敵ですからね?
 それじゃ、またね。本当におめでとう!

 あなたの師匠より